|
この度、現代ぷろだくしょんの山田火砂子監督によって、日本で最初の障害児施設『滝乃川学園』の創始者・石井亮一の夫人、石井筆子の生涯が映画化される運びになりました。
山田火砂子監督は、故山田典吾監督とともに『太陽の詩』『はだしのゲン』『春男の翔んだ空』などの映画を製作し、最近では岡山孤児院の石井十次を描いた映画『石井のおとうさんありがとう』で児童福祉文化賞を受賞されています。
こうした実績に加えて、山田火砂子監督は、知的障害を持つ娘の母親として、戦後の教育と福祉の歩みをつぶさに体験して来られました。
障害児の母として、女性として、その一生を走り抜けた石井筆子と思いを同じくし、障害を持つ母達に元気を与える映画にしたいという、山田監督の願いを支援し、この映画を成功させるためにお力をお貸し頂けますよう、心からお願いし申し上げます。 |
日本福祉文化学会 会長 一番ケ瀬康子
長崎純心大学大学院 教授 津 曲 裕 次
滝乃川学園 前理事長 吉 村 庄 司
滝乃川学園 福祉文化室長 河 尾 豊 司 |
先に「一人の母」がいた。 |
私たち育成会の運動は、戦火の消えた直後に、知的障害のあるわが子の幸せを願う「三人の母」から始まりました。生きることさえ困難な時代に、確かな支えを作り人としての尊厳を守るために、母親は立ち上がったのです。それを、多くの専門家や友人が支えてくださいました。運動が全国へ大きく広がった今、すべての方々に心から感謝いたします。そして、はるか明治の時代に、同じ想いを抱き、先駆けとなる活動をされた「一人の母」がいたことを知り、大変に驚いています。夫となった石井亮一氏は、わが国で最初の施設(滝乃川学園)の創設者であり、福祉協会の初代の会長でありますが、筆子は実質的に育成会の創設者といえましょう。地域での生活が当然と考えられ、本人の意志と権利が重視される今だからこそ、〈母親の愛〉と施設の歴史的な評価が必要だと思います。そのために私たちは、映画『筆子・その愛』の制作に全面的に協力していきたいと考えています。 |
社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
理事長 藤原 治 |
|
現在、これまでにも優れた映画を多数製作してきた現代ぷろだくしょんで、山田火砂子監督により、知的障害福祉の先駆者、滝乃川学園石井亮一の妻、筆子の一生を描いた映画「筆子・その愛」の製作が行われようとしています。
石井筆子は、一人の母親として知的障害を持つ長女・幸子を育てるかたわら、女子教育にたずさわり、石井亮一と出会います。そして、亮一と滝乃川学園の運営にあたり、実子の死や施設の火災という困難を乗り越え、わが国の知的障害福祉の基礎を築きました。今、制度が変わろうとしている中で、知的障害福祉の原点を振り返ることは、大変大きな意義があると考え、この映画の完成に期待します。 |
社会福祉法人東京都知的障害者育成会
理事長 山内 美代 |